美味本

しらに田

和食昼接待も可

美と美味と 季節をいただく芸術

’16年に現在の川沿い一等地に移るまでの5年間で、すでに人気を不動の物に。そのスピード感は、店主の白仁田政信さんが、25歳と異例の若さで独立したと聞けば、納得だ。厨房でてきぱきと調理し、皿を差し出す時だけそっと説明をしてくれる寡黙な白仁田さんは、『銀座うち山』で修行し、まずは故郷の佐賀で店を開く。満を持して福岡の中でも激戦区・西中洲へ。旬の味を引き立てる腕と、名物『焼きごま豆腐』と『鯛茶漬け』の味が食通の心をつかむ。
北大路魯山人のやきものの写しや蒔絵のお椀など、季節を表現する器はまるで芸術品。つかず離れずの接客は、会話のリズムを崩すことなく、よりはずませるヒントを与えてくれる。お酒も各種揃うが、自らワイン好きで、ソムリエがいるほどワインにも力を入れている。焼鳥とワインを楽しむ姉妹店『萬鳥』でも名物の『焼きごま豆腐』を出しているように、「自分が美味しいと思うものをお客さまにも食べていただきたい」。「独立開業のノウハウを伝授したい」という白仁田さんの思いがそこここに現れている。
炊きたての土鍋ご飯の重い蓋が開く瞬間は、会食のクライマックス。甘い香りを、まずは熱々をそのままどうぞ。立派な鯛をご飯にのせて、続いて煎茶をかけてお茶漬けにすると、特製タレの旨味が際立ち、化学反応のように美味しさが生まれる。
会席は季節やその日の仕入れで献立が変わるが、アレルギーや苦手な食材は予約の際に聞いてもらえる。刺身が苦手なら鯛茶漬けを炊き込みご飯に変更も可能だ。昼でもおまかせコース(4000円〜1万円)が予約できるので、昼接待には覚えておきたい。ちょっとしたランチには小鉢とデザート付きの『鯛茶漬けセット』が破格値の1500円。また、空間、サービス、料理、器、店主自らのお見送りまで、感動のひと時が、また訪れたい気持ちにさせてくれる。

1.『焼きごま豆腐』の中はトロリと柔らかく、醤油をちょっと垂らして熱々のうちに/2.スタッフに指示を出しながら、一番動き回る白仁田さん/3.秋には妻に山芋を使用するなど、この一皿で山海の季節を感じる『お造り』

SHOP INFO

  • 住所:福岡市中央区西中洲4-4 RIN FIRST4階
  • TEL:092-725-7336
  • 営業時間:11:30〜14:00/17:30〜OS21:00
  • 定休日:不定
  • 駐車場:なし
  • 席数:個室の有無/あり4〜16名(テーブル席)
  • カード: 可

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